SBIカードの過払い金請求ができる条件・返還率・期間
SBIカードは、SBIホールディングスが運営しているクレジットカード事業で、2010年にSBIカード株式会社はSBIイコールクレジットを合併しています。SBIカードは現在もありますが、2017年で発行が停止し更新契約のみの利用となっています。その代わりグループ会社である住信SBIネット銀行とクレジットカード事業が統合しています。
SBIカードは過払い金請求の対象になっているカードの1つですが、対象となる期間が非常に短く、SBIカードの金利もそこまで高くないため、借入金額によっては過払い金が発生していない可能性もあります。しかし、現在の利息制限法に基づいて計算すると過払い金が発生している人もいるので、自身が過払い金があるかどうかをいったん調べてみないと分かりません。
SBIカードが金利引き下げをおこなったのは2007年からになるので、2007年以前に借り入れをし、現在も返済をしている、もしくは2014年前後で返済が終わった人は過払い金があるか確かめる価値があります。
SBIカードの過払い金請求ができる条件
SBIカードの過払い金が発生する仕組み
貸金業者からの借り入れには、利息制限法と出資法の2つの法律で上限金利が定められています。利息制限法の金利が20.00%、出資法の金利が29.20%とされていました。
法改正がされるまでは、利息制限法と出資法のどちらかの上限金利を決めて貸し付けることができました。SBIカードも利息制限法を超える貸し付けを行っていた可能性があるため、2006年11月20日以前に借りていた場合は、過払い金請求の対象となります。
過払い金請求できない人
借り入れ金額によって上限金利が変わります。借り入れ金額が10万円未満の場合は上限金利20%、10万円以上100万円未満の場合は上限金利18%、100万円以上の場合は上限金利15%です。
2006年11月20日以降にSBIカードで、新規で借り入れした方の場合は、上限金利が利息制限法で定められた金利の範囲内なので、過払い金が発生しません。ただし、それ以前に借り入れと返済を行っていた場合は、連続した取引として、それ以前の借り入れに過払い金が発生している可能性があります。
借り入れ金額と返済回数で増減する過払い金の金額
借り入れ金額と返済回数で過払い金の金額が増減します。
借り入れ金額と返済回数が少ない場合は、SBIカードに支払っている利息が少ないので、発生する過払い金も少ないです。一方で、借り入れ金額と返済回数が多い場合は、SBIカードに支払っている利息がそのぶん多いので、発生する過払い金も多いです。
SBIカードへの返済方法には、一括払いとリボルビング払いがあります。リボルビング払いで返済している場合は、借り入れの返済回数が多くなるので、一括払いでの返済よりも発生する過払い金が多くなります。
SBIカードに過払い金請求ができなくなるリスク
時効が成立してSBIカードに過払い金請求ができなくなる
過払い金には時効があり、最後の取引から10年が経過すると時効が成立して、SBIカードから過払い金を取り戻すことができなくなります。
過払い金の時効である10年の数え方は最後の借り入れをした日、返済の手続きをした日から10年です。借り入れに関する情報は、SBIカードから取引履歴を取り寄せることで確認することができます。
取引履歴は、SBIカードから郵送、あるいはSBIカードの窓口で直接取り寄せることができます。
SBIカードの過払い金請求にかかる期間と過払い金の返還率
話し合い和解をするか、裁判をするかによって、過払い金を取り戻すまでにかかる期間(返還期間)と、発生する過払い金に対して実際に返還される金額の割合(返還率)が違います。
話し合いによる交渉で和解した場合は、返還期間が短くなりますが、取り戻せる過払い金が少なくなる傾向があります。一方で、裁判をする場合は、返還期間が長くなりますが、取り戻せる過払い金が多くなる上に、過払い金の元本に対する利息もあわせて取り戻せる可能性があります。
SBIカードは、消費者金融の大手で過払い金請求の対応を多く経験しているので、話し合いや裁判においてSBIカードが有利な立場となるように交渉をしてきます。
自分で過払い金請求をすることもできますが、貸金業者との交渉に慣れていないので返還期間が長くなったり、過払い金の返還率が悪くなって取り戻せる金額が少なくなるので、過払い金請求を専門的にあつかっていて、SBIカードと交渉経験が豊富な司法書士や弁護士に依頼するべきです。
司法書士・弁護士に依頼してかかる期間と返還率
裁判で判決(一般的な請求データ)
6か月~
100%
※上記に記載している返還期間・返済率は、SBIカードの過払い金請求の目安であって、必ずしも当てはまるものではありません
※上記に記載している返還期間・返済率は借り入れの状況、SBIカードの経営状況によってかわります
※過払い金が返還されるまでの期間によって、過払い金の元本に対する利息はかわります
過払い金請求のシミュレーション
例1:150万円の借り入れを完済して過払い金請求
- 借入金額:150万円
- 返済回数:60回
- 過払い金:15万円
裁判をした場合は、期間が6ヶ月程度、およそ15.0万円(返還率100%)の過払い金と利息をあわせてSBIカードから取り戻せる可能性があります。
例2:300万円の借り入れを完済して過払い金請求した例
- 借入金額:300万円
- 返済回数:60回
- 過払い金:30万円
裁判をした場合は、期間が6ヶ月程度、およそ30万円(返還率100%)の過払い金がSBIカードから取り戻せる可能性があります。
SBIカードの過払い金を取り戻すまでの流れ
過払い金請求をする前に、借り入れしたときの金利・金額・日付、返済した金額・日付が記載された取引履歴を、貸金業者から取り寄せます。
貸金業者から取引履歴を取り寄せたら、過払い金がいくら発生するのか引き直し計算をします。
過払い金返還請求書と引き直し計算書を、貸金業者に内容証明郵便で送ります。
過払い金の返還率、過払い金を返還するまでの期間を、貸金業者と話し合いで交渉します。
話し合いの交渉で和解できなければ、貸金業者と裁判をします。
和解または判決が出たら、貸金業者から指定口座に過払い金が振り込まれます。
SBIカードから取引履歴を取り寄せる
過払い金請求をする前に、SBIカードから取引履歴を取り寄せます。取引履歴には、借り入れしたときの金利・金額・日付、返済した金額・日付が記載されています。
SBIカードの取引履歴は、SBIカードに電話で問い合わせる、直接窓口へ行く、個人情報開示申込書をSBIカードに郵送する、ことで取り寄せることができます。
SBIカードから取引履歴を取り寄せるときの注意点
過払い金請求をする目的を伝えない
SBIカードから取引履歴を取り寄せるときに、過払い金請求をするといった目的を伝えないように注意してください。
「返済義務がないと知っていて、任意で返済した借金の過払い金は請求することができない」といった内容が、民法705条によって定められています。
SBIカードに過払い金請求する目的を伝えた上で返済を続けていると、過払い金が少なくなってしまう場合や、過払い金を取り戻せなくなる可能性があります。
ゼロ和解しない
SBIカードから取引履歴を取り寄せるときに、SBIカードから「借り入れを0円にする(ゼロ和解)」、「利息を減額する和解書にサインをする」ことが提示されることがあります。
SBIカードからの条件で和解した場合に、過払い金請求をする権利を放棄することが和解書に記載されていると、過払い金請求が発生していたとしても、過払い金請求をすることができなくなります。
過払い金の引き直し計算をする
SBIカードから取引履歴を取り寄せたら、引き直し計算をして、過払い金がいくら発生するのかを算出します。引き直し計算には、エクセルと利息計算ソフトを使用します。
利息計算ソフトは、名古屋消費者信用問題研究会、アドリテム無司法書士法人がインターネット上で無料配布しています。
利息計算ソフトに、取引履歴の内容(金利・金額・日付、返済金額・日付)を入力すれば計算することができます。
引き直し計算を自分でするリスク
引き直し計算を自分ですると、複雑な計算を間違える可能性があります。
引き直し計算は、過払い金を請求するための重要なポイントですが、自分で計算をして金額を1円でも間違えると、取り戻せる過払い金が少なくなることや、SBIカードに過払い金の返還を断られてしますリスクがあります。
司法書士や弁護士といった専門家に依頼をすることで、自分で引き直し計算をして間違えるリスクがなくなるので、1円でも多く、過払い金を取り戻すことができます。
SBIカードへ過払い金返還請求書と引き直し計算書を送る
取引履歴をもとにして引き直し計算をしたあと、SBIカードへ過払い金返還請求書と引き直し計算書を内容証明郵便で送ります。
内容証明郵便で送ることで、いつ、誰が、どこに送ったかを証明することができるので、記録として残すことができます。
- 日付
- SBIカード
- SBIカードの代表名
- 名前
- 住所
- 連絡先
- 電話番号
- 振込口座名
- 口座番号
- 契約番号、会員番号
- 〇万円の過払い金を返還請求する旨の内容
話し合いで交渉(任意交渉)
SBIカードへ、過払い金返還請求書と引き直し計算書を送ったあと、引き直し計算をもとに発生した過払い金の返還率、過払い金を返還するまでの期間を話し合いで交渉するために、SBIカードの担当者から電話で連絡がきます。
過払い金請求の裁判
取り戻せる過払い金の金額が変わる裁判の争点
SBIカードから借り入れを繰り返している場合は、取り戻せる過払い金の金額が変わる可能性があります。
SBIカードから繰り返している借り入れが、一連の取引としてあつかわれるか、分断された取引としてあつかわれるかが、裁判の争点になります。
例えば、同じ契約番号で借り入れを繰り返している、SBIカードに1,000円未満の借り入れがある、いずれかのケースでは、借り入れが「一連の取引」としてあつかわれることで、取り戻せる過払い金の金額が多くなります。
一方で、繰り返している借り入れが分断された取引としてあつかわれると、それぞれの借り入れに対して過払い金を計算するので、取り戻せる過払いが少なくなります。
繰り返している借り入れが一連の取引か、分断された取引か、どのようにあつかわれるかを自分で判断することや、引き直し計算をすることはむずかしいので、司法書士や弁護士といった専門家に相談をするべきです。
SBIカードから過払い金が振り込まれる
SBIカードと話し合いで和解、あるいは裁判で判決が出たあと、SBIカードとの和解を示す和解書や裁判の判決内容に応じた過払い金が、SBIカードに指定した口座に振り込まれます。
過払い金請求を専門家に依頼していた場合は、司法書士や弁護士事務所の口座に過払い金が振り込まれたあと、相談料、着手金、基本報酬、成功報酬といった費用が差し引かれた金額が、手元に残る過払い金として振り込まれます。
司法書士や弁護士の費用・料金は過払い金から差し引かれる
過払い金請求を司法書士や弁護士といった専門家に依頼すると、相談料、着手金、基本報酬、成功報酬が、費用としてかかります。
司法書士や弁護士の依頼にしてかかる費用や報酬の定義、上限金額は、日本司法書士会連合会(日司連)や日本弁護士連合会(日弁連)のガイドラインで定められています。
司法書士に依頼した場合にかかる費用は、着手金、基本報酬といった定額報酬が合計5万円以下と定められていますが、弁護士に依頼した場合にかかる費用は、基本報酬が上限2万円と定められているだけで、着手金には上限が定められていません。
司法書士や弁護士といった専門家に依頼をする場合は、過払い金請求にかかる費用や相場について、電話・メールで相談、あるいは直接面談をするときに確認をするべきです。
SBIカードの過払い金請求をするデメリットとメリット
SBIカードの過払い金請求をするデメリットとメリットは、過払い金請求をする時点でのSBIカードからの借り入れ状況によってちがいます。
借金を完済している方、いまも借金を返済中の方、それぞれの状況にあったデメリットとメリットを確認してください。
完済後にSBIカードの過払い金請求をするデメリットとメリット
- 過払い金を取り戻せる
- SBIカードから借り入れが不要になる
- SBIカードから新たな借り入れができなくなる
借金の完済後にSBIカードの過払い金請求をするデメリット
借金の完済後にSBIカードの過払い金請求をするデメリットは、SBIカードから新たに借り入れることができなくなることだけです。
ただし、過払い金の時効が成立したり、、SBIカードが倒産したりすると、過払い金請求をすることができなくなり、過払い金が発生していても1円も取り戻すことができません。
借金の完済後から時間がたっている方は、1日でもはやく過払い金請求をすべきです。
借金の完済後にSBIカードの過払い金請求をするメリット
借金の完済後にSBIカードの過払い金請求をするメリットは、過払い金を取り戻すことができることです。
SBIカードから取り戻した過払い金を生活の資金にすることができるので、生活を少しでもラクにすることができる可能性があります。
生活がラクになれば、今後も新たな借り入れをしなくてよくなるかもしれません。
借金の返済中にSBIカードの過払い金請求をするデメリットとメリット
借金の返済中にSBIカードの過払い金請求をする場合、ブラックリストに載るデメリット、返済中の借金を減額できる、毎月の返済の負担を減らす交渉ができるメリットがあります。
- SBIカードに返済中の借金を減額できる
- 将来の利息カットや返済期間を見直しする交渉ができる
- ブラックリストに載る
借金の返済中にSBIカードの過払い金請求をするデメリット
返済の延滞を繰り返したり、借金を滞納したことがある方は、すでにブラックリストに載っているので、過払い金請求をするべきです。
過払い金がいくら発生するかは、貸金業者との取引履歴から払いすぎていた利息を計算する「引き直し計算」をすることでわかります。
引き直し計算をして、発生する過払い金がSBIカードで作った借金より多いか、少ないか、結果が分かってから過払い金請求をするかしないかの判断をすることができます。
借金の返済中にSBIカードの過払い金請求をするメリット
借金の返済中にSBIカードに過払い金請求をして、過払い金が発生すれば、借金の返済に過払い金をあてることで、借金を減額することができます。
また、発生した過払い金が借金の残高よりも多ければ、借金を完済することができます。
発生した過払い金で借金が完済できなければ任意整理をすることになりますが、将来発生する利息をカットする、返済期間を見直して延長することができれば、毎月の返済をラクにすることができるようになります。
SBIカードの過払い金請求によるクレジットカードとローンへの影響
住宅ローン・自動車ローンへの影響
SBIカードの過払い金請求が、返済中の住宅ローン・自動車ローンに影響することはありません。
任意整理をすると、信用情報機関に事故情報が登録される、いわゆるブラックリストに載ります。住宅ローンや自動車ローンの審査は、申し込み時の年齢、年収といった情報だけでなく、信用情報機関の情報も対象とするので、ブラックリストに載るとローンの審査に通りにくくなります。
SBIカードからの借り入れで延滞を繰り返したり、滞納したことがある方は、すでにブラックリストに載っているので、ローンの審査を気にすることなく過払い金請求をするべきです。
SBIカードについてよくある質問
- SBIカードに過払い金請求できるのか
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SBIカードは条件を満たせば過払い金請求をすることができます。ただし、SBIカードに過払い金請求をする条件があるので、詳しくは「SBIカードに過払い金請求ができる条件」を確認してください。
- SBIカードに過払い金請求するデメリットがあるのか
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SBIカードに過払い金請求をすると、原則としてSBIカードから新たな借り入れをすることがむずかしくなります。しかし、過払い金請求の対象から外した貸金業者からは借り入れすることができます。
- SBIカードの過払い金請求にかかる期間や過払い金の返還率は?
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SBIカードの過払い金請求は裁判で判決した場合は、ほぼ全額の過払い金を取り戻せる可能性があります。
SBIカードの会社概要
SBIカードは住信SBIネット銀行の子会社で、クレジットカードを主に扱っている会社です。 代表者は三好明広氏です。 SBIカードは、カードローンという低金利の貸し付けサービスも提供しています。 SBI証券はSBIカードとは別の会社で、株式や投資に関するサービスを提供しています。 SBIグループは、東証1部に上場しており、香港証券取引所にも上場しており、アジア市場にも進出しています。
SBIカードは、住信SBIネット銀行の下にあるクレジットカード会社で、代表者は三好明広氏です。彼らはクレジットカードだけを扱っており、その他の事業には取り組んでいません。SBIカードの親会社は住信SBIネット銀行で、SBIカードに類似したサービスとして「カードローン」があります。
これは、実質年率が8.49%から14.79%(スタンダードコース)という金利で、もっと高い「プレミアムコース」なら、実質年率が1.99%から7.99%という低金利になっています。 SBIカードは、SBIグループの一部であり、経営状況は非常に安定しています。またSBIは東京証券取引所1部、香港証券取引所にも上場しており、日本だけでなく、アジア市場にも拠点を持ち、更に経営規模を拡大する予定です。
SBIは元々「ソフトバンク・インベストメント」の略で、ソフトバンクグループの中で投資部門の会社でしたが、2006年にソフトバンクからすべての株式を取得し独立しました。現在「SBI」は「戦略的な事業の革新者」を意味し、クレジットカード事業に特化しています。SBIカードは4つのランク「一般・ゴールド・プラチナ・ブラック」があり、年会費は一般が900円、ゴールドが5000円、プラチナが2万円、ブラックが15万円で、券面に貴金属を刷り込んでいます。
SBIカードは、高級なクレジットカードでしたが、現在は新規発行が停止されています。2017年7月31日に新規募集を中止し、その後は既存会員の契約更新のみとなっています。SBIカードがクレジットカードの発行を停止した理由は、グループ会社の「住信SBIネット銀行」が新たにクレジットカードを発行するためです。これにより、クレジットカード事業を一本化することになります。SBIグループ全体ではクレジットカード事業はなくならず、移行により「年収の3分の1以上の貸付も可能」になるようになりました。SBIカードは高級なクレジットカードでしたが、新規発行は停止され、現在は既存会員の契約更新のみとなっています。これはグループ会社の「住信SBIネット銀行」が新たにクレジットカードを発行するためで、クレジットカード事業を一本化するために行われています。この移行により、クレジットカード会社や消費者金融に適用される「総量規制」が適用されなくなり、年収の3分の1以上の貸付も可能になりました。
SBIカードは、現在は新規発行が停止されていますが、経営状況や財務基盤は健全であるため、倒産による過払い金の返還のリスクは少ないと考えられます。ただし、過払い金があるかもしれない場合は早めに司法書士事務所などに相談することをおすすめします。