コメリキャピタルの過払い金請求ができる条件・返還率・期間

コメリキャピタルはホームセンターのコメリが運営するクレジットカード会社です。2002年に設立し2007年までの間に貸し付けをおこなっていた金利がグレーゾーン金利だっため過払い金の対象となっています。

コメリキャピタルが発行するクレジットカードでのグレーゾーン金利での貸し付け期間が短いため対象となる人はかなり数が少ないです。もし2002年～2007年の間に借り入れをして、2013年頃に返済を済ませている、もしくは現在も返済中という方は過払い金が発生している可能性があります。

コメリキャピタルの過払い金請求ができる条件

コメリキャピタルの過払い金が発生する仕組み

コメリキャピタルはホームセンターで有名なコメリが運営するクレジットカードです。コメリキャピタルのクレジットカードが発行されたのは2002年なので、他のクレジットカードと比べると遅めの登場になります。2006年に貸金業が改正され、2007年にコメリキャピタルもグレーゾーン金利(20%を超えて29％までの金利)を廃止ししているので2002年～2007年にコメリキャピタルで借り入れをした人が過払い金の対象ということになります。

また、過払い金は借り入れ金額によって上限金利が変わります。借り入れ金額が10万円未満の場合は上限金利20%、10万円以上100万円未満の場合は上限金利18%、100万円以上の場合は上限金利15%です。

過払い金が発生しない人

2007年以降にコメリキャピタルで借り入れした方の場合は、上限金利が利息制限法で定められた金利の範囲内なので、過払い金が発生しません。

コメリキャピタルの上限金利の変化

2007年以前	20％～292.％
2007年以降	15％～20％
2023年現在	50万円以下18％

コメリキャピタルに過払い金請求ができなくなるリスク

時効が成立してコメリキャピタルに過払い金請求ができなくなる

過払い金には時効があり、最後の取引から10年が経過すると時効が成立して、コメリキャピタルから過払い金を取り戻すことができなくなります。

コメリキャピタルの時効のカウントはコメリキャピタルに対して借り入れもしくは返済をした日から数えて10年です。借り入れに関する情報は、コメリキャピタルから取引履歴を取り寄せることで確認することができます。

取引履歴は、コメリキャピタルから郵送、あるいはコメリキャピタルの窓口で直接取り寄せることができます。

倒産してコメリキャピタルに過払い金請求ができなくなる

コメリキャピタルの母体はホームセンターのコメリであるため、経営状況は安定しています。また、過剰な貸し付けなどをおこなっているわけでないため、金融関連で躓く可能性が低い企業ととらえてよいでしょう。そのため、倒産することで過払い金が請求できなくなるリスクはかなり低いと言えます。

ただし、過払い金請求には10年という期限が決まっているので、仮に2006年頃に借り入れて2015年頃に返済終了となっている場合、時効まで残りわずかです。心当たりがある人は早めに司法書士や弁護士に相談して過払い金請求をかけたほうがよいです。

コメリキャピタルの過払い金請求にかかる期間と過払い金の返還率

話し合い和解をするか、裁判をするかによって、過払い金を取り戻すまでにかかる期間(返還期間)と、発生する過払い金に対して実際に返還される金額の割合(返還率)が違います。

話し合いによる交渉で和解した場合は、返還期間が短くなりますが、取り戻せる過払い金が少なくなる傾向があります。一方で、裁判をする場合は、返還期間が長くなりますが、取り戻せる過払い金が多くなる上に、過払い金の元本に対する利息もあわせて取り戻せる可能性があります。

自分で過払い金請求をすることもできますが、貸金業者との交渉に慣れていないので返還期間が長くなったり、過払い金の返還率が悪くなって取り戻せる金額が少なくなるので、過払い金請求を専門的にあつかっていて、コメリキャピタルと交渉経験が豊富な司法書士や弁護士に依頼するべきです。

司法書士・弁護士に依頼してかかる期間と返還率

話し合いで和解(任意交渉)

裁判で判決

• 上記に記載している返還期間・返済率は、コメリキャピタルの過払い金請求の目安であって、必ずしも当てはまるものではありません
• 上記に記載している返還期間・返済率は借り入れの状況、コメリキャピタルの経営状況によってかわります
• 過払い金が返還されるまでの期間によって、過払い金の元本に対する利息はかわります

コメリキャピタルは裁判(訴訟)を起こさずとも100％返ってくる可能性があります。

過払い金請求のシミュレーション

例1：150万円の借り入れを完済して過払い金請求

• 借入金額:150万円
• 返済回数:60回
• 過払い金:68.0万円

話し合いで和解(任意交渉)した場合は、期間が3ヶ月程度、およそ48.0万円(返還率70%)の過払い金がコメリキャピタルから取り戻せる可能性があります。

例2：300万円の借り入れを完済して過払い金請求した例

• 借入金額:300万円
• 返済回数:60回
• 過払い金:137.5万円

話し合いで和解(任意交渉)した場合は、期間が3ヶ月程度、およそ96.2万円(返還率70%)の過払い金がコメリキャピタルから取り戻せる可能性があります。

コメリキャピタルの過払い金を取り戻すまでの流れ

コメリキャピタルから取引履歴を取り寄せる

過払い金請求をする前に、コメリキャピタルから取引履歴を取り寄せます。取引履歴には、借り入れしたときの金利・金額・日付、返済した金額・日付が記載されています。

コメリキャピタルの取引履歴は、コメリキャピタルに電話で問い合わせる、直接窓口へ行く、個人情報開示申込書をコメリキャピタルに郵送する、ことで取り寄せることができます。

コメリキャピタルから取引履歴を取り寄せるときの注意点

過払い金請求をする目的を伝えない

コメリキャピタルから取引履歴を取り寄せるときに、過払い金請求をするといった目的を伝えないように注意してください。

｢返済義務がないと知っていて、任意で返済した借金の過払い金は請求することができない｣といった内容が、民法705条によって定められています。

コメリキャピタルに過払い金請求する目的を伝えた上で返済を続けていると、過払い金が少なくなってしまう場合や、過払い金を取り戻せなくなる可能性があります。

ゼロ和解しない

コメリキャピタルから取引履歴を取り寄せるときに、コメリキャピタルから｢借り入れを0円にする(ゼロ和解)」、｢利息を減額する和解書にサインをする｣ことが提示されることがあります。

コメリキャピタルからの条件で和解した場合に、過払い金請求をする権利を放棄することが和解書に記載されていると、過払い金請求が発生していたとしても、過払い金請求をすることができなくなります。

過払い金の引き直し計算をする

コメリキャピタルから取引履歴を取り寄せたら、引き直し計算をして、過払い金がいくら発生するのかを算出します。引き直し計算には、エクセルと利息計算ソフトを使用します。

利息計算ソフトは、名古屋消費者信用問題研究会、アドリテム無司法書士法人がインターネット上で無料配布しています。利息計算ソフトに、取引履歴の内容(金利・金額・日付、返済金額・日付)を入力すれば計算することができます。

• 名古屋消費者信用問題研究会
• アドリテム司法書士法人

引き直し計算を自分でするリスク

引き直し計算を自分ですると、複雑な計算を間違える可能性があります。

引き直し計算は、過払い金を請求するための重要なポイントですが、自分で計算をして金額を1円でも間違えると、取り戻せる過払い金が少なくなることや、コメリキャピタルに過払い金の返還を断られてしますリスクがあります。

司法書士や弁護士といった専門家に依頼をすることで、自分で引き直し計算をして間違えるリスクがなくなるので、1円でも多く、過払い金を取り戻すことができます。

コメリキャピタルへ過払い金返還請求書と引き直し計算書を送る

取引履歴をもとにして引き直し計算をしたあと、コメリキャピタルへ過払い金返還請求書と引き直し計算書を内容証明郵便で送ります。

内容証明郵便で送ることで、いつ、誰が、どこに送ったかを証明することができるので、記録として残すことができます。

話し合いで交渉(任意交渉)

コメリキャピタルへ、過払い金返還請求書と引き直し計算書を送ったあと、引き直し計算をもとに発生した過払い金の返還率、過払い金を返還するまでの期間を話し合いで交渉するために、コメリキャピタルの担当者から電話で連絡がきます。

過払い金請求の裁判

取り戻せる過払い金の金額が変わる裁判の争点

コメリキャピタルから借り入れを繰り返している場合は、取り戻せる過払い金の金額が変わる可能性があります。コメリキャピタルから繰り返している借り入れが、一連の取引としてあつかわれるか、分断された取引としてあつかわれるかが、裁判の争点になります。

例えば、同じ契約番号で借り入れを繰り返している、コメリキャピタルに1,000円未満の借り入れがある、いずれかのケースでは、借り入れが｢一連の取引｣としてあつかわれることで、取り戻せる過払い金の金額が多くなります。

一方で、繰り返している借り入れが分断された取引としてあつかわれると、それぞれの借り入れに対して過払い金を計算するので、取り戻せる過払いが少なくなります。

繰り返している借り入れが一連の取引か、分断された取引か、どのようにあつかわれるかを自分で判断することや、引き直し計算をすることはむずかしいので、司法書士や弁護士といった専門家に相談をするべきです。

コメリキャピタルから過払い金が振り込まれる

コメリキャピタルと話し合いで和解、あるいは裁判で判決が出たあと、コメリキャピタルとの和解を示す和解書や裁判の判決内容に応じた過払い金が、コメリキャピタルに指定した口座に振り込まれます。

過払い金請求を専門家に依頼していた場合は、司法書士や弁護士事務所の口座に過払い金が振り込まれたあと、相談料、着手金、基本報酬、成功報酬といった費用が差し引かれた金額が、手元に残る過払い金として振り込まれます。

司法書士や弁護士の費用・料金は過払い金から差し引かれる

過払い金請求を司法書士や弁護士といった専門家に依頼すると、相談料、着手金、基本報酬、成功報酬が、費用としてかかります。

司法書士や弁護士の依頼にしてかかる費用や報酬の定義、上限金額は、日本司法書士会連合会(日司連)や日本弁護士連合会(日弁連)のガイドラインで定められています。

司法書士に依頼した場合にかかる費用は、着手金、基本報酬といった定額報酬が合計5万円以下と定められていますが、弁護士に依頼した場合にかかる費用は、基本報酬が上限2万円と定められているだけで、着手金には上限が定められていません。

司法書士や弁護士といった専門家に依頼をする場合は、過払い金請求にかかる費用や相場について、電話・メールで相談、あるいは直接面談をするときに確認をするべきです。

コメリキャピタルの過払い金請求をするデメリットとメリット

コメリキャピタルの過払い金請求をするデメリットとメリットは、過払い金請求をする時点でのコメリキャピタルからの借り入れ状況によってちがいます。

借金を完済している方、いまも借金を返済中の方、それぞれの状況にあったデメリットとメリットを確認してください。

コメリキャピタルの過払い金請求をするデメリットとメリット

コメリキャピタルの過払い金請求をするデメリット

借金の完済後にコメリキャピタルの過払い金請求をするデメリットは、コメリキャピタルから新たに借り入れることができなくなることだけです。

ただし、過払い金の時効が成立したり、、コメリキャピタルが倒産したりすると、過払い金請求をすることができなくなり、過払い金が発生していても1円も取り戻すことができません。借金の完済後から時間がたっている方は、1日でもはやく過払い金請求をすべきです。

コメリキャピタルの過払い金請求をするメリット

借金の完済後にコメリキャピタルの過払い金請求をするメリットは、過払い金を取り戻すことができることです。コメリキャピタルから取り戻した過払い金を生活の資金にすることができるので、生活を少しでもラクにすることができる可能性があります。

コメリキャピタルについてよくある質問

コメリキャピタルに過払い金請求できるのか

コメリキャピタル(コメリカード)に過払い金請求をすることができます。ただし、コメリキャピタルに過払い金請求をする条件があるので、詳しくは「コメリキャピタルに過払い金請求ができる条件」を確認してください。

コメリキャピタルに過払い金請求するデメリットがあるのか

コメリキャピタルに過払い金請求をすると、原則としてコメリキャピタルから新たな借り入れをすることがむずかしくなります。しかし、過払い金請求の対象から外した貸金業者からは借り入れすることができます。

コメリキャピタルの過払い金請求にかかる期間や過払い金の返還率は？

コメリキャピタルは話し合い交渉だけで70％の過払い金が返ってくる可能性があります。一般的な手続き期間は3か月～半年程度です。請求をかければ割と早く手元に過払い金が戻ってくるので司法書士や弁護士に相談することをおすすめします。

コメリキャピタルの会社概要

設立	2002年4月
資本金	4億5千万円
代表者	代表取締役社長 捧 雄一郎 代表取締役専務 涌井 美奈
本社	新潟県新潟市南区清水4501番地1

コメリキャピタルは、ホームセンター運営会社であるコメリの業務から発展したクレジットカード会社です。2002年に設立され、本社は新潟県新潟市にあります。コメリキャピタルは日立キャピタル株式会社などの金融関連のグループ会社も所有しており、アグリカードという農業事業決済専用のカードも発行しています。代表取締役社長は捧雄一郎氏、代表取締役専務は瀧澤茂氏で、資本金は4億5,000万円となっています。

コメリキャピタルはクレジットカードだけでなく、プリペイドカードや包括信用購入あっせん業なども手がけています。また、母体のコメリがあるため、その買い物実績がクレジットカードの審査に有利に働く傾向があります。経営状況も堅調であり、過払い金請求などについても打撃を受けていません。

2022年の3月期第2四半期の決算発表では営業収益が1969億4300万円、営業利益が177億4300万円、経常利益が178億6600万円、四半期純利益が120億2900万円と好調。過去5年の業績は増収増益をしている安泰企業です。

コメリキャピタルは、母体のホームセンター企業であるコメリが運営するクレジットカードで、過去の利用状況によっては過払い金が発生する可能性があります。しかし、過去に過払い金の請求については、ほとんど打撃を受けておらず、貸金業法の改正があったこともあり、優位性を持っていると言えます。

また、官公庁カードの発行や、オリックス株式会社などとの提携なども行っており、地域社会で堅実な会社と評価されています。そのため、倒産リスクは低く、過払い金請求時にも返還率や回収率が高いと期待できます。ただ、時効については注意が必要です。