どこから借りたか過去の取引を忘れた人が過払い金請求する方法

どこから借りたか忘れた、貸金業者との契約書や明細書をなくした、そのような人でも過払い金請求はできます

貸金業者への申し込みや借金の履歴が記録されている信用情報機関に問い合わせることで、過去の取引を調べることができます。ただし、取引した貸金業者がわかっても、過払い金請求に必要な書類である「取引履歴」を処分している可能性があります。

取引履歴なしでも過払い金請求できますが、過払い金がいくら発生しているかの計算が複雑なので、自分で手続きをおこなうと最悪の場合は手続きを断られて1円も取り戻せなくなります

過払い金には時効があるので、貸金業者を忘れた人は、どうすればいいか悩んでいるうちに時効になって取り戻せなくなる前に、弁護士や司法書士に過払い金請求を依頼すべきです。

目次

貸金業者を忘れたり明細がなくても過払い金請求できる

過払い金請求をするためには、まずは貸金業者との取引履歴を確認する必要があります。

しかし、完済してから時間が経っていると、どの貸金業者から借り入れをしていたか忘れていたり、契約書や明細書をなくしてしまっている方が多いです。

過払い金は、貸金業者がわからなかったり、契約書や明細書が一切なくても請求することができます。

過払い金は時効で取り戻せなくなる

過払い金は、貸金業者を忘れたり、契約書や明細書がなくても調べることができます。

ただし、過払い金は取引した日から10年が経過すると時効が成立して、1円も取り戻すことができなくなります。そのため、貸金業者を忘れたり契約書や明細書がないからといって放置せず、はやめに過払い金請求の手続きをすることが大切です。

貸金業者の経営状況が悪くなると取り戻せる過払い金が少なくなったり、貸金業者が倒産してしまうと過払い金請求ができなくなります。

貸金業者を忘れたり契約書や明細書がないからとあきらめないで、本来取り戻せるはずの過払い金を取り戻せなくなる前に、はやめに司法書士や弁護士に相談をするべきです。

貸金業者を忘れても過払い金請求できる方法

信用情報機関に登録されている情報を開示請求して内容を確認することで、過払い金請求をすることができます。

消費者金融や銀行といった貸金業者から借り入れをしていると、借り入れに関する情報が信用情報機関に登録されます。貸金業者を忘れたとしても、信用情報機関に登録されている情報をもとにして、借り入れをしていた貸金業者がわかります。

信用情報機関の情報を開示するには、本人確認書類の提出や貸金業者名の明示などの手続きが必要になりますが、信用情報機関に開示請求をすることで過払い金請求をすることができます。

信用情報機関の情報開示方法

信用情報機関は、株式会社日本信用情報機構(JICC)、株式会社シー・アイ・シー(CIC)、全国銀行個人信用情報センター(KSC)の3つがあります。

信用情報機関加盟している期間
株式会社日本信用情報機構(JICC)消費者金融と信販会社などが加盟している
株式会社シー・アイ・シー(CIC)信販会社とクレジットカード会社を中心として銀行系金融機関、消費者金融などが加盟している
全国銀行個人信用情報センター(KSC)銀行や銀行系クレジットカード会社や、銀行系の信用保証協会・農協・信用組合・信用金庫などが加盟している

どの信用情報機関に登録しているかは貸金業者によって違うので、それぞれの信用情報期間の情報開示の方法を事前に確認しておくと安心です。

株式会社日本信用情報機構(JICC)の開示方法

株式会社日本信用情報機構(JICC)の開示方法には、スマートフォンで申し込む方法、郵送で申し込む方法、直接窓口へ行って申し込む方法があります。

情報開示は、インターネットで申し込むこともできますが、どの方法で申し込んでも1,000円の手数料がかかります。

株式会社シー・アイ・シー(CIC)の開示方法

株式会社シー・アイ・シー(CIC)の開示方法には、インターネット(パソコンやスマートフォン)で申し込む方法、郵送で申し込む方法、直接窓口へいって申し込む方法があります。

CICに登録されている情報を開示請求するためには、どの方法で申し込んでも1,000円の手数料がかかります。

全国銀行個人信用情報センターの開示方法

全国銀行個人信用情報センター(KSC)の開示方法には、郵送で申し込む方法しかありません。情報開示の手続きには、1,000円の手数料がかかります。

情報開示を代理人がおこなう場合

信用情報機関への情報開示の請求は、原則として本人だけができます。

ただし、本人が他の人に代理権を与えた場合や、本人が死亡した場合には、配偶者や二親等内の血族、連帯保証人なども開示請求をすることができます。

契約書や明細がなくても過払い金を確認できる方法

契約書や明細書がなくても、過払い金を確認する方法はあります。

借り入れをしたときの利息、借り入れ額や返済の金額、返済日などが記録された取引履歴を貸金業者から取り寄せることで、取引履歴をもとに過払い金を計算することができます。

取引履歴は、貸金業者に電話やFAX、郵送などで請求することができます。貸金業者によっては受付窓口でも取り寄せることができる場合があるので、自宅に連絡や郵便物を送付されたくない場合は、貸金業者の窓口で取り寄せる方法を選ぶのが良いでしょう。

また、貸金業者の窓口へ行く時間がない、家族や会社にバレたくないという方は、司法書士や弁護士に依頼をすることで誰にもバレずに手続きができます。

業者ごとの取引履歴の請求方法を一発検索!

取引履歴が取り寄せられる業者を一発検索!

取引履歴が処分されていた場合

取引履歴が処分されてしまった場合でも、過払い金の請求をすることができます。

貸金業者は取引履歴の開示を義務づけられていますが、一定期間を過ぎた分の取引履歴は処分されることもあります。その場合には、推定計算と呼ばれる方法を用いて、通帳の引き落とし履歴や公開されている取引履歴から処分された期間の取引を推測して計算することで過払い金を算出できます。

ただし、推定計算は複雑であり、返ってくる過払い金が少なくなったり、貸金業者から過払い金請求を断られる可能性があるため、司法書士・弁護士に相談することをおすすめします。

貸金業者を忘れたり明細がないときは専門家に相談

貸金業者を忘れたり明細がないときには、信用情報機関に開示請求をすることで借りた貸金業者を調べることができます。

貸金業者から借り入れの取引履歴を取り寄せることで自分でも過払い金請求することができますが、司法書士・弁護士に依頼することで、過払い金の調査や計算、貸金業者との交渉を専門家が代理でおこなうので手間と時間を省くことができます。

過払い金請求を依頼する事務所の実績やノウハウによって返還される金額や期間が変わるので、過払い金請求を専門的にあつかっている事務所を選ぶことが大切です。

専門家に過払い金請求をおこなってもらう流れ

STEP
電話かメールで相談する

弁護士・司法書士事務所に電話かメールで過払い金請求を相談します。

過払い金請求を専門とする事務所の方が過払い金の返還率が高い傾向があります。相談する前、過払い金を専門とするかどうか確認しましょう。

相談料は30分~60分で5,000円程度が相場とされていますが、無料に設定している事務所も多いです。

STEP
依頼・契約する

弁護士・司法書士事務所に過払い金請求を依頼し契約します。

依頼するとかかる着手金は貸金業者1社あたり2万円~3万円程度が相場とされています。

依頼した時点で返済中の借金の督促をストップさせることができます。

STEP
過払い金請求する
取引履歴の開示請求の流れ3

弁護士・司法書士が引き直し計算をし、貸金業者に過払い金返還請求書と引き直し計算書を送ります。

STEP
交渉する

弁護士・司法書士に貸金業者と過払い金の返還額・過払い金の支払期限を交渉してもらいます。

過払い金の計算や貸金業者との交渉にかかる基本報酬は貸金業者1社あたり2万円~3万円程度が相場です。

過払い金の金額に納得できなければ裁判をおこない、交渉します。

STEP
裁判をする

交渉で過払い金の返還額に納得できなければ、裁判をおこない交渉を続けてもらいます。

裁判をおこす場合は裁判をする際の手数料が実費でかかります。

裁判による交渉はすぐに判決が出ることがほとんどですが、納得できる判決が出るまで交渉してもらうことも可能です。

STEP
入金がある

過払い金は弁護士・司法書士事務所に振り込まれた後に、成功報酬を引いた金額が個人口座に入金されます。

成功報酬は、和解で取り戻した場合は過払い金の20%、裁判で取り戻した場合は過払い金の25%が上限です。

過払い金請求に慣れている弁護士・司法書士なら交渉や裁判を終えた後の入金も1週間~10日程度と自分で請求するよりも断然早いです。

貸金業者を忘れたときによくある質問

取引業者やいつ借りたか分からない場合でも過払い金は確かめられる?

取引業者や借りた日を忘れてもキャッシングの流れを記録している第三者機関の信用情報機関に問い合わせれば業者名や借りた日、いくら借りたかまで確認することができます。したがって、分からないまま放置していると時効を迎えて過払い金請求すること自体ができなくなる可能性があります。

取引履歴を処分されてしまったらどうすればいい?

貸金業者は取引履歴の開示を義務づけられていますが、一定期間を過ぎた分の取引履歴は処分されることもあります。その場合でも、推定計算と呼ばれる方法を用いて、通帳の引き落とし履歴や公開されている取引履歴から処分された期間の取引を推測して計算することで過払い金を算出できます。

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